手が冷たくて目線を下げたその向こうにあなたが歩いてくるいつも気付けばよかったと後になって思ってしまうからこれだけ道が広ければそれだけ見違えることだろうそれだけ離れているのだろうかどこまで歩いて行くのか知らずにいる振り向けば小さくなる背中を追えるまだ間に合わないことはないけれど走り出す勇気がなくてあの扉を開けてしまった後だから指先がまた冷えてしまうのを怖がってしまっている
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