寡黙な空と、不釣合いな雨ざぁざぁ、ざぁざぁ零れ落ちる雨夕暮れに置き忘れた麦藁帽子を探しに来たんだ。小さな石に、こつん、田んぼに蹴り入れる水面が波打ってそのうち、全部消えちゃった畦道に滴る雨は寡黙な空の涙かな。南へ行った父ちゃんが何も喋らず眠ってる忘れられないのは泣き崩れた母の面影や些細な小石につまずいた事。あと、寡黙な空の泣き顔も
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