詩人:タンバリン | [投票][得票][編集] |
季節もしんしんと冬に変わって、
中高生が焼きいも屋に喜んで走っていきます。
貧乏な僕は、それを見ていてくやしいのです。
だから、ボールペンや消しゴムを
アルミホイルで包んで焼いては、
腹いせに隣のじじいの畑にまいていたのですが
そのせいでじじいが引っ越して
寂しがりやの僕は、それを見ていてくやしいのです。
だから、近所の子供や向かいの犬を
アルミホイルで包もうと・・・
でも、その途中で青い服を着た人達が来たから
僕は安心して、両手を差し出したんです。
本当に、本当に心細かったから。
これでいいんだって、思ったんです。
―きちきちとアルミホイル。
まるで冷たい金属ロール。