こんにゃくのぎっしり詰まった財布ハンペンを取り出して、レジに叩きつける。バシィッ!とても冷たい響き。屋台のおじさんに人間が降伏してもう、丸二年になる。肥やしになるとされては、家財を失った。逆らう者は、がんもを投げ付けられた。その度に、熱い煮汁が散った。「出来合いの物ばっか、食うなよ。」アルタ前に映る、おじさんのなみだ。こうなる前に、屋台のおでん、食べに行こう。
[前頁] [タンバリンの部屋] [次頁]