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春菊の部屋


[11] 下降する
詩人:春菊 [投票][得票][編集]

「いますぐ
会いたい」

そんな
叶わぬ衝動に駆られて

屋上から
地上を眺めていた

夕焼けが
ちりちりと
冷たいビルを焦がす


それを気に停めることもなく
たくさんの人々が
せわしなく動いてる


その中に
君も組み込まれてると思うと


それは何だか
とても不思議で
機械的で

取り残された
気分だった


そうして僕はまた

むしょうに
君に会いたくなって


でこぼこな自分とか

逃げ場もない

どうしようもなさとか

そういうものを
見続けてしまう


君に
名前を呼んでほしかった


君の手で
やわらかな表情で


名前を
呼んでほしかった

2006/04/16 (Sun)

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