詩人:花 | [投票][編集] |
真夜中の山道
片道 38キロの道のり
一時間
リピートとされる音楽は
決まってた
暗くて深いダム
国道4号線のトラック
怖くなかったのは
あの人の好きな音があったから
1人きりの車内でも
独りじゃないと感じたから
玄関の灯り
家族の優しさ
こっそり入っても
待ち構える愛犬
深夜1時過ぎ
自室に帰る
まだ冷めぬ熱を持って
繰り返すこと
4つの季節
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ひとり残された
息子を連れて
今は亡き娘に会いに行った
寡黙で優しい
息子と違い
おてんばで
生意気で
勝ち気な娘だった
ママ 遊ぼ
ママ お兄ちゃんが
パパと遊びたい
そんな声が
聞こえてきそうである
愛して止まない
愛して止まない
悲しくないはずがない
息子と2人
娘との切れた繋がりを
再び結ぶため
手を差しのべてきた
この子も
私が守るべきだった
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花柄のワンピを着て出掛けた
外は雨だった
観音像が見える
この席が好きで
この空間で
静寂を受け止める
気付かない振りをする事は簡単だから
気付いた事を素直に受け止めた
両手に溢れた思い
小さく小さく畳んで
今は
まだ ポケットにしまおう
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雨がパラついて
夜を迎えて
混在する意識の中
まだ見ぬ明日を思った
捨てた想いと
拾った想いと
消えた娘と
まだいる息子
せめて最後に
この腕に抱き締めて
温もりを伝えたかった
罵られても
詰られても
心の中には
愛があり
許せぬ事などないと
語りかけてくる
思い出は
いつか
新しい思い出に塗り替えられて
今度こそ
幸せに出来る私になろう
大切を分かち合い
愛を共有し
心で寄り添い
小さな記念日を積み上げて
後悔は
今日で最後にしよう
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誰かと
話をするのが面倒になってきて
誰かと
メールを打つ手が億劫になってきて
空をぼんやり見てるような見てないような
今は
悲しいとか
悔しいとか
辛いとか も特別にはなくて
ただ 右半分 スウスウと風が通る
私じゃない誰かになりたいと 思ったあの日から
何処か諦めていて
一通のメールで泣いたあの夜から
今日の日を指折り数えていたのかもしれない
お前の事が
一番好きだと言われた
あのメール
嬉しいはずの涙は
何処か悲しかった
私が求めて求めて
やまなかった言葉
今更で 今 やっとで
泣き腫らしたあの日の
自分に聴かせてあげたかった
あぁ
私 本当に好きなんだな
あぁ
私 本当に好きだったんだな
たまには
私と居て幸せだと
何処かで誰かに話して欲しかったな
小さな記念日をいくつも積み上げて
2010 6 25
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騒がしいネオン街
浴びるほど飲んだアルコール
ハイテンションな言葉と裏腹なエモーション
ただ
どうにかなってしまえ と笑い続けた
光化学スモッグに月が隠れて
優しい貴方は何処かに消えて
あったはずの温もりや
寄りかかれる肩が
今はもうない事を…
躓いて転んだ
道路の真ん中で
実感した
名前を呼ぶ声が好きだった
髪を鋤いてくれる手が好きだった
回した手の感覚や
息遣い
体温
声
ニオイ
少しずつ消えていく
少しずつ忘れてく
フォルダに残った写真
留守録に残った声
アドレスに番号
あなただけの着信音
鳴らない
もう 消さなきゃいけない
白んだ朝を向かえて
隣にいた知らない誰かを
あなたの名前で呼んでみて
さよなら した
夜が明けて
朝を向かえて
痛みを覚えて
後悔を知って
優しさを痛感して
曖昧になる前に
鍵をかけた
あなたを愛した私
あなたに愛された私
忘れない
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埋もれた記憶
掘り起こして
探しだしたカプセルは
いつかの日付といつかの時間
カテゴリは 「愛」で
夕暮れ色に染まる
書き換えられたプログラム
優しさしか残さない
けどね
身体が覚えてる
右手が覚えてる
いつだって
さよなら が見え隠れ
同じ好きじゃなかった
スタートラインが違った
特別になりきれない
欠陥品
そうラベルを書き換えて
夕闇に微睡みながら
胸元に沈めた
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絶対も永遠も
ないこと
心の何処かで知っていて
心の真ん中で恋い焦がれている
言い切ることの
切なさを
心の何処かで疑って
心の真ん中で願っている
約束することの
温かさを
心の何処かで怖がって
心の真ん中で嬉しく思っている
破られる事の悲しみを
心の何処かで予期していて
心の真ん中で涙している
心なんて
変わるから
出逢いがあって
別れがあって
喜んで
悲しんで
けど
これを最期にしたいと願うのは
私の我が儘でしょうか
この出逢いを
永遠にしたいと願うのは
我が儘でしょうか
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雨脚が強くなった夕方
季節は初夏へと移り変わる
アスファルトの冷えたにおいが
紫色に心に巣くう
ねえ 例えばさ
雨に濡れた心 温めるのは
私の体温であって 君の体温であって欲しい
ねえ 例えばさ
雨上がりの虹の梺に一緒にいるのはさ
手を繋いだ 君と私であって欲しい
これからも ずっと