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花の部屋


[26] 幻想の源
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認めたくない思いがあった
信じたくない気持ちがあった


私の持つ二つの目に映った現実を
心がね 気持ちがね
離れたくなくて 否定してた
勘違いじゃないかって
否定してた…

時のなせる技
情のなせる業

追い詰められて
嫌がらせされて

それでも 求めていた 心

愛だったのか 意地だったのか

薄れていく気持ちが

どちらでもなく
人を信じたいと
強く願っている気持ちだったと教えてくれた



涼しげな風が流れる
南側の窓をあけ
北側の窓もあける

通り道ができた
風の行方は

私に辛い現実をみせたけど
一夜という時間が
客観性を産んだ

愛などなかった

最初から
この出逢いに愛などなかったのだ

与えたものは物理的に消費され
生まれた関係は
利用だったのだ

認めたくない思いが
邪魔をしたけれど

数々の言葉 仕草 を
冷静に回想してみれば

温もりだと感じたことがなかったと
気づいた…


今やっと呪縛から
解放される

今やっと現実に戻る

肩などなかった

最初からなかったのだ

もう 幻覚はみない



「おかえり…」

という言葉が
私を連れ戻してくれた


「ただいま」

春先 麗らかな午後

私は やっと 帰ってきた



2010/03/05 (Fri)

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