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雨蛙の部屋


[9] 別れの日に誓う
詩人:雨蛙 [投票][編集]

決別の日
最後の視線を受けとめる
友は淋しさを
母は励ましを
父は心配を
「行ってきます。」胸を張って町を出た
月日は流れ
過ぎ行く日々に立ち止まり
流れる街に背を丸め
倒れるように眠りに就く
瞳を閉じると
決別の日の皆の視線が目蓋に映る
友は変わらず
母は優しく
「いつでも帰っておいで」と語りかける
けど父だけは、しっかりと僕を見据え
「逃げるな胸を張って生きろ」と語りかける
あぁ……今なら分かるよ
決別の日のあなたの瞳が心配だけではなく、期待を込めて見送ってくれたんだと
枕を濡らし僕は誓うよ
あなたの誇りに成れる様
胸を張って前を向いて歩いていくと
だから、もう少しの間その心配と期待を込めた瞳で見守っていてよ。

2006/09/05 (Tue)

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