詩人:シゲヲ | [投票][編集] |
祚(たもつ)は誰に犯されることなく……
今ここにある。
何人たりとも、人は近寄れぬよ?
……くるか人間。
血塗られた刀を振い狂おうか。
お主は今まで幸せだったかな?
有りもしない幻想に、捕らわれはしなかったか?
……ククク。
なんだ、その目は……
女を抱くように、
人を殺してきた目だ。
淡く易い欲よな?
腑が煮えきるほどに欲望し、腕がもげるほど足掻いたか。
子供を沢山殺してきたな?
いやぁ……別に構わない。
悲しみや怒りに身を任す屑よりは、百倍マシだ。
その腐った欲求こそ、人だ。
祚(たもつ)を犯させはしないさ。
血化粧は整えてきたかい……
さぁ共に狂おうか? 人間。
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雨と風の中で足掻いていく。
その中で光り輝き生きる。
傷つくことを恐れないで。
抱いてあげたいんだ。
壊れやすい願いは誰の胸にもあるよ。
いつだってそれを追い求めて、
怖がっている。
あなたがいるから歩き出せたんだ。
そばに居たから生きれたんだ。
あの人は感情を表現できる心を持ってる。
忘れかけた夢を捨てて、
新たなものを見つけようさ?
凍りついた記憶を掘り返し、
意味もなく灼熱の剣を振るおう。
この胸の鼓動があなたに続く限り……
その命に永久に誓おう。
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街の人ごみを掻き分け、
丘に上がって風が吹くんだ。
絆があって、優しさがあって。
空をかける声も、雲を割る雷も。
そっと抱いてあげたい。
滅茶苦茶に傷つけられたとき、
助けを求めるだけが素直じゃないよ?
意地っ張りは人の純粋な気持ち。
その気持ちは消したり……
そうさ、消したりなんてできない!
吹きつくような風でさえ、
色んなところで輝いて、
その夢の中で煌いて。
いくつもある明日を、
きっと……迷わず。
そうさ、迷わず越えて行ける!
諦めないで、天使の翼を抱きしめて。
暁に光る空の下で。
真っ直ぐに見つめる瞳を、
……優しく閉じて。
二度と迷わないで。
いつだってきっと求め続けていた。
あなたに出会えて、
わかり始めた全てを。
青く果てない空の下で、
そっと抱いて……
抱いてあげたい……
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頬を赤くした少年が一人……
街角で泣いていた。
父が憎いと話してくれた。
涙で歪んだ空を見上げた。
未来が不安で、
答えれなかった……
だけどやっぱり君が悪い。
君は自分を隠しているから。
さあ、エンピツをしっかり持って、
名前を書いて見て?
白い色のノートに描こう。
君という物語を……
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新しい学校に入学して、
いいことなんか一度もなくて。
友達と僕との間には見えない壁があったんだ。
わからなくていいことや、見えなきゃいいものが理解できて……
クラスのみんなから相手にされなくなって……
とても辛かった。
そんなときある人が、
僕にこう教えてくれた。
『おまえは一歩先に行っているんだ』
『だからおまえはバカと言われる』
僕の瞳から涙がこぼれ落ちた。
その人は照れながら、
夕日の陰に消えていく。
言葉を……ありがとう。
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俺たちはどこに向かいどこで死ぬんだろう?
俺は死にたい場所がある。
それは決して特別な場所じゃなくて、
なにもないけど幸せだった場所。
俺は……
故郷に生まれ、故郷で死にたい……
どうだ? 大層な夢だろう。
どこかもわからない戦場で、
俺は死ぬのは嫌だから。
故郷の大地の上で、
息を引き取りたい。
はは……そうなれば良いなぁ。
空を見上げてみれば青い雲がある。
あの雲の先には、あの雲の向こうには、
俺の故郷がある。
命を失う時に、
考えることってたぶんそんなことなんだろう。
普通なことかもしれない。
だから、俺は……
我が故郷に生まれ、我が故郷で死にたい。
そう思うことが当然なんだ……
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人は獣さ。
牙も毒も刺も持つことなく……
ただ。
痛むだけの、涙を流して……
曝け出した獣だよ?
誰もが君を誉めなくて、
けなすことになろうが、
君は生きている。
あのささやかな人生を踏みしめている。
僕は誉めよう。
君の知らない君を、
いくつでも知っているから。
通り過ぎる町の中で、
そんな人を見かけないか?
あのささやかな人生の中で、
君に似ている人を。
そんな僕たちは……
星歌のように求めあう。
僕は誉めよう。
君の知らぬ君を。
心の底から……褒め称えよう。
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石よ、木よ。緩やかに流れる川。
ささやかな者達よ。
共に生きよう。
繰り返す悲しみを、
光り輝くその力で切り開いてくれ。
君にも僕にも全ての生物にも、
命を紡ぐ者の名前を命と言うんだ。
たやすく涙を流せるものは、
たやすく痛みもわかるだろう?
笑顔で流す涙は、
誰に傷つけぬ者たちこそ流せるんだ。
命を散らすものたちに光を照らせ。
命を紡ぐ者こそ光と言う。
名も無き君にも、
名も無き僕にも、
教えてくれた。
人の心は命なんだと……
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優しさを思い出したら
きっとそれは残酷な優しさなんだろうな。
生きとし生けるもの全てに、
優しくなれるなんて無理だから。
残酷になるんだろう?
夢はここまでだ。
ニコニコと笑おうか?
国土はもう見えないだろうから……
どこかでつながっている空を見上げて叫ぼうか?
ありがとう、って。
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二人は深い空の下で、
こんなにも傷ついていても、
こんなにも、とめどなくても、
失っても、温もりはここに残っている。
でも失いたくないよ。
涙で迷いと書き綴っても、
諦めない。
消せない痛みを抱えながら。
こんな僕にでも、できることがある。
大切な人のために生き続けること。
それで満足かい?