詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
熟していない果実を
かじりました。
実は堅くて
酸っぱさだけが
口の中に広がってゆきました
何故だか
後味がとても苦い。
私は複雑な気持ちで
種だけを取り除いてみました。
大地にどっしりとたくましい根を張って
大きく育てる為の種なのに、
未熟な果実の種は
まるで私達の素肌のように
白く、そして柔らかかった。
熟せば熟す程
トロトロで甘い
そして種は色褪せ
石のように堅くなってゆく…。
熟すまで待てなかった私は、複雑な気持ちで
種と実を土に帰してきました。
禁断の果実は
もしかしたら
その事だったのだろうかとか
色々考えたら涙が出てきました。