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まとりょ〜鹿の部屋


[156] 熟。
詩人:まとりょ〜鹿 [投票][編集]

熟していない果実を
かじりました。

実は堅くて
酸っぱさだけが
口の中に広がってゆきました

何故だか
後味がとても苦い。
私は複雑な気持ちで
種だけを取り除いてみました。

大地にどっしりとたくましい根を張って
大きく育てる為の種なのに、
未熟な果実の種は
まるで私達の素肌のように
白く、そして柔らかかった。

熟せば熟す程
トロトロで甘い
そして種は色褪せ
石のように堅くなってゆく…。

熟すまで待てなかった私は、複雑な気持ちで
種と実を土に帰してきました。

禁断の果実は
もしかしたら
その事だったのだろうかとか

色々考えたら涙が出てきました。

2006/08/08 (Tue)

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