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まとりょ〜鹿の部屋


[158] 一度しか言わない
詩人:まとりょ〜鹿 [投票][得票][編集]

お前が嫁いでゆくその前に
もう一度ちゃんとお前の顔を見ていいか?

産声を上げて
ずっと母ちゃんにしがみついてたお前が
今は手を離れ巣立ってゆく

俺はお前に何度か
手を挙げて叱った事もあった。
お前が俺を
冷たくあしらって避けた時もあった。

二十数年の月日なんか
あっという間にこの日の為に過ぎ去った。

最近目が霞むようになったな…。
不思議と一瞬で、お前の晴れ姿が写らなくなってきた。

頼むから
本当にお世話になりました。とか
そんな小っ恥ずかしい手紙なんかくれるな。

頼むから
これからの俺らの事を心配するな。
自分達の暮らしの為に、経験を積んでゆけ。

頼むから
誰よりも幸せになってくれ。

俺らはお前の親としては、まだ未完成だったのかも知れない。

そう世間からも認められる立派な母親になってくれ。

2006/09/02 (Sat)

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