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まとりょ〜鹿の部屋


[210] 依存
詩人:まとりょ〜鹿 [投票][編集]


“そうやってずっと
一人で泣いてれば?”

そう言って
母は出て行った


靴の履き方すら
忘れたように
裸足で背中を追った
5歳の夏。



“そうやってずっと
一人で泣いてろよ”

そう言って
友は去って行った。


ボロボロの靴を
ただ無心で
河原に蹴り上げた
11歳の夕暮れ。



“そうやって泣いて
煩わしいよお前”

そう言って
恋人は棄て去った。


靴ズレ合わぬブーツで
足を引きづりながら
静かに嗚咽した
22歳の冬。



止まり木ばかりを求めては
鳴かず飛ばずで
その肩に寄りかかってばかりで

肝心な足はもう
誰にも追い付けないと
知っていた。



この合わぬ靴を高いビルに放置して
幾らか頭で描いた事のある
神様と云う人に会ってみるのもいい…



“それは違う”と誰かが囁いた。


それならいっそ…




アナタの肩に止まってもいいですか?

2007/12/20 (Thu)

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