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まとりょ〜鹿の部屋


[209] キネマブルース
詩人:まとりょ〜鹿 [投票][編集]


不意に泣きたくなった

いつか見た古い映画

安い発泡酒をお供に

14インチのミニシアター。


画面に映る
彼の手は
愛する人すら
傷付けてしまう。

でも

彼の手は
美しい物をより
美しく作り上げた。


切り裂く力。
芸術の引き算。
彼は誰より綺麗な心。



終わりを告げるストーリー。
とても繊細で美しい悲愛。
アルコール、緩んだ涙腺。

だけど

僕はラストまで泣くことは出来なかったんだ。


不器用なのは
もう疲れた。


泣かない事が
偉いねなんて
歳はとっくに過ぎた。


泣けない事が
こんなにも
心を窮屈にさせる事と
画面の彼を通して思い知る。



君はどうだい?

2007/12/20 (Thu)

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