詩人:まとりょ〜鹿 | [投票][編集] |
不意に泣きたくなった
いつか見た古い映画
安い発泡酒をお供に
14インチのミニシアター。
画面に映る
彼の手は
愛する人すら
傷付けてしまう。
でも
彼の手は
美しい物をより
美しく作り上げた。
切り裂く力。
芸術の引き算。
彼は誰より綺麗な心。
終わりを告げるストーリー。
とても繊細で美しい悲愛。
アルコール、緩んだ涙腺。
だけど
僕はラストまで泣くことは出来なかったんだ。
不器用なのは
もう疲れた。
泣かない事が
偉いねなんて
歳はとっくに過ぎた。
泣けない事が
こんなにも
心を窮屈にさせる事と
画面の彼を通して思い知る。
君はどうだい?