ジンジンと静かに音を立てる焚き火を挟み僕と君が四十の肩を揺らして笑う。夏の名残の真っ黄色な月明かり。流れゆく火の粉を吸い上げる。エンジ色した炎が僕の耳まで真っ赤にすれば、炎越しに揺らめいた君の姿に改めて恋をする。夏の終わりは切ないけれどまだまだ何度も夏は来る。今、こんなに嬉しいのは二十路、三十路、四十路…そしてこれからもずっと同じ君と夏を生きるから。
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