詩人:夢姫 | [投票][編集] |
眠れないまま早朝を迎えるのは
もうこれで何度目なのか
薬はもはや体を苦しめるものでしかなくなった
疲れきった体は
眠りに就こうとはしない
頭の中は靄で充たされている
その靄に隠れる君は誰だい?
その姿を見ることができたなら
この体は眠りに就ける
そんな気がしてならないから
君の姿を探して
今日も眠れない夜に
足掻き苦しんでいる
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貴方に恋い焦がれて
わたしは赤い果実になりました
貴方がわたしの名前を呼んで下さるのを夢見ていたのです
どうか呼び捨てになさって
貴方にもぎ取られた
あの日からわたしは貴方のものなのです
貴方がわたしの服を脱がしてくれるのを心待ちにしていました
どうぞ優しくお口に含んで
貴方に頂いてほしくて
はしたないとお思いになるでしょうか
わたしは自分から貴方のお口を求めて赤いドレスを脱ぎました
どうぞわたしの果汁を召し上がれ
できるのであれば
毎晩貴方と戯れていたい
できるのであれば
毎朝わたしを食卓に
貴方に恋い焦がれて
わたしは赤い果実になりました
貴方のお口でわたしから滴り落ちる甘酸っぱい果汁を
どうぞおいしく召し上がれ
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散らかった部屋が
居心地悪くて
窓のカーテンも閉めきったまま
窓の外にはどんな世界があるの?
一人でいるのに慣れてきたから
この部屋に誰かを入れることもない
カーテンを開けてみたいけれど
それもできなくて
外の世界の音だけを聞いているのさ
空が泣いているから
その顔を見ることができない
どんな顔して泣いているの?
ただその偉大さに憧れるだけで
手の届かない君
今 どんな色してる?
モノを踏み付けながら
歩いて
黄ばんだカーテンも気持ち悪い
本当の色はどんな色だった?
この部屋に来るのは
小さな子供
「外に行こう」と誘うけど
それはできないよ
君は外の世界を知っているんだね
空が鳴いているから
その顔を見上げることができない
下を向いて歩くしかない
僕は君に想いを寄せているだけで
近付けない君
今 何を思っている?
ほの暗い部屋で
窓に背中を向けて
カーテン越しに君の声を聞いている
この部屋に光が射すのを
心待ちにしながら
空が泣いているから
僕は顔を上げることができない
僕はどんな顔しているの?
ただそれを君に教えてほしいだけ
遠い 遠い君
僕の方を見てくれないか
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いつもの場所に君が居ないと
不安になる
いつものように
君の歌声を聴かせてくれないか
君の歌声はとても優しい気持ちになれるんだ
悲しい歌など歌わないで
君は一人じゃないんだから
僕がいつでも傍にいるよ
いつでも笑っていてくれないか
君の美しい歌声を
僕は誇りに思うよ
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下だけ脱いだら
ここに座りな
お前に小さなプールを用意しよう
さぁ 足を開いて
ここに座りな
お前に安堵の時を与えよう
小さなプールは
月と共に
お前の鮮血で赤く染めて
さぁ 足を開いて
こっちに向けな
白いシーツも血まみれ
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時計の秒針が
一秒 一秒
時を刻む
どんな時でも
常に時間は流れ
煩いほどに追い込まれる
『早くしなければ』
密室を流れる
風の中に
異物が交じり込んだ
それだけで
不愉快になる
それが人間
『どうにかしろよ』
いつまでたっても他人任せ
時間任せ
人間は
周りの人間に流され
時間に流されて
生きている
どうにもならないことを
変える力など備わらなくて
どうにもならないことを
受け入れられない
軟弱者
誰もが
自分だけの力だけでは
歩けない
軟弱者
今 歩く君は
一人じゃないってことさ
今 弱いのは
君だけじゃないってことさ
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仕事帰り
いつものように
君に挨拶
「終わったよ」
来るはずのない返事が
着信音と共に
その存在を知らせてくれる
AM1:00
思わず電話をかけてみた
受話器の向こうからは
眠たそうな君の声
胸を締め付けられたみたい
苦しいくらい
君にトキメク瞬間
目覚めれば
いつものように
君からの挨拶
「おはよう。いってきます。」
電話をかけてねって
頼んでおいて
爆睡中のあたし
AM7:32
あたしが朝 目覚めたら
携帯電話に着信ありの文字
君の行動が目に浮かぶ
かけてくれて ありがとう
すごく好きだよ
君にトキメク瞬間
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自分はいらない人間だと感じた
大した努力もせずに
自分は駄目な人間だと思った
周りに甘えてばかりで
こんなクズ同然のあたしには
生きてく価値なんてなさそう
またいつからか
自分の中に生まれた
黒い悪魔が
目を覚ました
潰されないように立っているのがやっと
自分は平気だと毅然に振る舞いながら
影で泣くのがやっと
いつからこんなクズになってしまったんだろう
生きている価値があるかないか
そんなこと決めるのは
本当は自分じゃないことくらい
わかってるつもり
自分でジブンを孤独にするのはやめよう
孤独を感じた時は
思い切り誰かに甘えよう
大事な人はきっと
わかってくれるさ
自分を追い込んで
それ以上
クズにならないでよ
あたし
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一生このまま
貴方と居たい
この先
私が年老いて
皺々になっても
貴方を魅了したい
この先
貴方が年老いて
皺くちゃになっても
私を魅了して
いつまでたっても
いくつになっても
私と貴方は
男と女でいたいのよ
一生
貴方を魅了し続ける
女でいることが
私のこれからの人生の
全て
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嘆きの姫君
美しい顔を曇らせて
白い頬を涙で染める
自分が動かなきゃ
何も変わりはしないさ
待ってるだけのドール
操られるままのドール
その糸を断ち切って
先ず右足から動かしてみようか
おめでとう
記念すべき
君の第一歩
次に君に糸を付けるのは
どこの誰かな
君に糸を付けられた僕には
到底無理な話さ
付け心地がいいから
放せない
糸を断ち切ったドール
僕を操る美しいドール
先ずは君のマスターを
探す旅にでも出たらどうだい
ご愁傷さま
誰もが
檻の中の住人
死ぬまで繰り返される
糸きり歯の擦り合い