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夢姫の部屋  〜 投稿順表示 〜


[108] 不眠症
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眠れないまま早朝を迎えるのは

もうこれで何度目なのか

薬はもはや体を苦しめるものでしかなくなった


疲れきった体は

眠りに就こうとはしない

頭の中は靄で充たされている


その靄に隠れる君は誰だい?


その姿を見ることができたなら

この体は眠りに就ける

そんな気がしてならないから

君の姿を探して

今日も眠れない夜に

足掻き苦しんでいる



2004/04/07 (Wed)

[120] 恋する林檎
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貴方に恋い焦がれて

わたしは赤い果実になりました

貴方がわたしの名前を呼んで下さるのを夢見ていたのです

どうか呼び捨てになさって


貴方にもぎ取られた

あの日からわたしは貴方のものなのです

貴方がわたしの服を脱がしてくれるのを心待ちにしていました

どうぞ優しくお口に含んで


貴方に頂いてほしくて

はしたないとお思いになるでしょうか

わたしは自分から貴方のお口を求めて赤いドレスを脱ぎました

どうぞわたしの果汁を召し上がれ


できるのであれば
毎晩貴方と戯れていたい
できるのであれば
毎朝わたしを食卓に


貴方に恋い焦がれて

わたしは赤い果実になりました

貴方のお口でわたしから滴り落ちる甘酸っぱい果汁を

どうぞおいしく召し上がれ



2004/04/13 (Tue)

[122] ROOM
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散らかった部屋が
居心地悪くて
窓のカーテンも閉めきったまま
窓の外にはどんな世界があるの?

一人でいるのに慣れてきたから
この部屋に誰かを入れることもない
カーテンを開けてみたいけれど
それもできなくて
外の世界の音だけを聞いているのさ

空が泣いているから
その顔を見ることができない
どんな顔して泣いているの?
ただその偉大さに憧れるだけで
手の届かない君
今 どんな色してる?


モノを踏み付けながら
歩いて
黄ばんだカーテンも気持ち悪い
本当の色はどんな色だった?

この部屋に来るのは
小さな子供
「外に行こう」と誘うけど
それはできないよ
君は外の世界を知っているんだね

空が鳴いているから
その顔を見上げることができない
下を向いて歩くしかない
僕は君に想いを寄せているだけで
近付けない君
今 何を思っている?


ほの暗い部屋で
窓に背中を向けて
カーテン越しに君の声を聞いている
この部屋に光が射すのを
心待ちにしながら


空が泣いているから
僕は顔を上げることができない
僕はどんな顔しているの?
ただそれを君に教えてほしいだけ
遠い 遠い君
僕の方を見てくれないか



2004/04/16 (Fri)

[123] 歌姫
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いつもの場所に君が居ないと
不安になる

いつものように
君の歌声を聴かせてくれないか

君の歌声はとても優しい気持ちになれるんだ

悲しい歌など歌わないで

君は一人じゃないんだから
僕がいつでも傍にいるよ

いつでも笑っていてくれないか

君の美しい歌声を
僕は誇りに思うよ



2004/04/17 (Sat)

[126] 月と女
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下だけ脱いだら
ここに座りな

お前に小さなプールを用意しよう

さぁ 足を開いて
ここに座りな

お前に安堵の時を与えよう

小さなプールは
月と共に
お前の鮮血で赤く染めて

さぁ 足を開いて
こっちに向けな

白いシーツも血まみれ


2004/04/17 (Sat)

[128] 人という字は
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時計の秒針が
一秒 一秒
時を刻む

どんな時でも
常に時間は流れ
煩いほどに追い込まれる

『早くしなければ』


密室を流れる
風の中に
異物が交じり込んだ

それだけで
不愉快になる
それが人間

『どうにかしろよ』


いつまでたっても他人任せ
時間任せ

人間は
周りの人間に流され
時間に流されて
生きている

どうにもならないことを
変える力など備わらなくて

どうにもならないことを
受け入れられない
軟弱者

誰もが
自分だけの力だけでは
歩けない
軟弱者


今 歩く君は
一人じゃないってことさ

今 弱いのは
君だけじゃないってことさ



2004/04/18 (Sun)

[131] 君にトキメク瞬間
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仕事帰り
いつものように
君に挨拶

「終わったよ」

来るはずのない返事が
着信音と共に
その存在を知らせてくれる

AM1:00


思わず電話をかけてみた
受話器の向こうからは
眠たそうな君の声

胸を締め付けられたみたい
苦しいくらい
君にトキメク瞬間


目覚めれば
いつものように
君からの挨拶

「おはよう。いってきます。」

電話をかけてねって
頼んでおいて
爆睡中のあたし

AM7:32


あたしが朝 目覚めたら
携帯電話に着信ありの文字
君の行動が目に浮かぶ

かけてくれて ありがとう
すごく好きだよ
君にトキメク瞬間



2004/04/20 (Tue)

[134] STOP
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自分はいらない人間だと感じた
大した努力もせずに

自分は駄目な人間だと思った
周りに甘えてばかりで

こんなクズ同然のあたしには
生きてく価値なんてなさそう

またいつからか
自分の中に生まれた
黒い悪魔が
目を覚ました

潰されないように立っているのがやっと
自分は平気だと毅然に振る舞いながら
影で泣くのがやっと

いつからこんなクズになってしまったんだろう
生きている価値があるかないか
そんなこと決めるのは
本当は自分じゃないことくらい
わかってるつもり

自分でジブンを孤独にするのはやめよう
孤独を感じた時は
思い切り誰かに甘えよう
大事な人はきっと
わかってくれるさ

自分を追い込んで
それ以上
クズにならないでよ
あたし



2004/04/25 (Sun)

[135] 人生の全て
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一生このまま
貴方と居たい

この先
私が年老いて
皺々になっても
貴方を魅了したい

この先
貴方が年老いて
皺くちゃになっても
私を魅了して

いつまでたっても
いくつになっても
私と貴方は
男と女でいたいのよ

一生
貴方を魅了し続ける
女でいることが
私のこれからの人生の
全て



2004/04/21 (Wed)

[141] 繰り返す世界
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嘆きの姫君
美しい顔を曇らせて
白い頬を涙で染める

自分が動かなきゃ
何も変わりはしないさ

待ってるだけのドール
操られるままのドール

その糸を断ち切って
先ず右足から動かしてみようか

おめでとう
記念すべき
君の第一歩

次に君に糸を付けるのは
どこの誰かな

君に糸を付けられた僕には
到底無理な話さ
付け心地がいいから
放せない

糸を断ち切ったドール
僕を操る美しいドール

先ずは君のマスターを
探す旅にでも出たらどうだい

ご愁傷さま
誰もが
檻の中の住人


死ぬまで繰り返される
糸きり歯の擦り合い



2004/04/27 (Tue)
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