詩人:夢姫 | [投票][編集] |
雨音しか聞こえない部屋に
一人
赤い花が音も立てずに
ゆらゆら 揺れている
「誰かそこにいるの?」
水の流れる音しか聞こえない世界に
いるはずもない
人の気配を欲して
一人
呟いた
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拝啓 あなた様
今日というこの日は
私にとって忘れられないものとなりました。
あなたのそのお口から
「×××」
そんな言葉が聞けたなんて
ああ 夢みたいね
透き通るような雫が
頬を伝うのもわからなかったの
思い描いていた日常が
たった一言で崩壊
瞳を閉じれば
安らかな眠りにつく私を
誰も邪魔しない
明日というその日を
私はどんな顔で
どんな姿で
明日というその日を
あなたはどんな顔で
どんな体で
動いているのかしら・・・
ねぇ
動いているの?
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かゆい かゆい
その硬いものを
無理やり剥ぎ取ったら
赤い 丸いモノが出てきた
やがてその
赤い 丸いモノは
楕円になって流れた
かゆい かゆい
ちょっと不幸せ
かゆい かゆい
ちょっと幸せ
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鉢の中で貴方に飼われる
あたしは金魚
きれいな水をくださいな
鉢の中で貴方に飼われる
あたしは金魚
おいしいエサをくださいな
貴方に優しくされて
あたしはぶくぶく
きれいな水の中で
あたしはぶくぶく
おいしいエサに溺れて
あたしはぶくぶく
こんなんじゃ速く泳げないわ
ひらひら
貴方の歩く速度が速いから
ひらひら
こんな尾鰭なんか邪魔なのよ
あたしをおいて何処行くの?
速く泳げないのよ
あたしをおいて行っちゃうの?
速く泳ぎたいのよ
こんなきれいなお水の中じゃ
泣いているかどうかも
わかんないわね
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暗闇の中で光る
重たい目蓋を持ち上げて
見つめ合っても悲しい
文字を書いては消す
作業は捗らない繰り返し
思い募らせても虚しい
このまま夜が明けるの?
あたしは今どこ?
暗くて居場所がわからない
あたしはひたすら
貴方の元へ
辿り着きたいだけなのに
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ああ
誰が奪っていくんだろね
不安 苛立ち
ちっさな胸がモヤモヤして
吐き気がするの
ああ
誰のせいにしたらいいのさ
自分の愚かさ
噛み締めろと言いたいのか
服従するしかない
平凡ていう名の幸せってのは
その名とはかけ離れて
遠い存在なんだよ
ねぇ
おちびちゃん
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愛してる
何か臭い
愛してる
何か匂うよね
そんな言葉いらない
ただ
貴方の自然な温度を
感じたい
部屋を漂う
変な薫りの煙のよう
生温いのよ
暖かくして
涼しくして
コントローラーは
どこだっけ?
ねぇ
自分で考えて
あたしをどうにでもしてごらん
貴方の温度で
心地よくして
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暖かいお湯であたしを包んで
甘い香りが部屋に漂うでしょ
小さじ2杯の毒を仕込んで
もう一度貴方をあたしだけのものにしたい
付き合い始めの頃に戻りたいなんて
悲しいセリフ吐きやしないから
嘘でもいいから
甘い甘い言葉を頂戴
お願い
あたしを騙し続けてほしいの
小さじ2杯の毒と
何故か流れたあたしの涙を適量
混ぜ込んで
丁寧に混ぜ込んで
もう一度
貴方の心がほしいから
出会った頃に戻りたいなんて
寂しいセリフ吐きやしないから
甘い甘い香りに包まれて
何だか切ない気持ちになるのは何故なの
あたしがほしいのは確信
それが甘い夢でもかまわないの