ホーム > 詩人の部屋 > チェシャ猫の部屋 > enough dream

チェシャ猫の部屋


[4] enough dream
詩人:チェシャ猫 [投票][編集]

あのころのボクらは地図さえ持たず
ただ夢中になってはしゃぎまわっていたね
なにか理由があるわけでもないけれど
いつも微笑を浮かべていられたんだ

道端で見つけたネコジャラシ
くすぐりあって転んだあの日
ガッコの帰りに見つけた路地裏の道
二人の秘密って指切りしたね

幼き日のボクらはきっと
笑えるくらいに単純で
嘘を覚えて育った今のボクを見ても
なにも知らぬ顔でほほえむのだろう
今を生きていたキミ達は
過去を振り返るボクに
切ないくらいにまぶしく映る

僕達は皆 十分すぎるくらいの夢を抱えて
生きてきたはずなのに
いつの間にか一つずつカギをかけてしまっていたんだ
「現実」という言葉のせいにして

さあ重い腰を上げよう
たまには振り返るのもいいけれど
やっぱ最後に残るのは前へ進むって道
覚えちまったなら 忘れればいい
忘れちまったなら 思い出せばいい
地図もコンパスも時計だって埋め
あの日の笑顔の意味を探しに行こう

2003/10/14 (Tue)

前頁] [チェシャ猫の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -