ホーム > 詩人の部屋 > チェシャ猫の部屋 > 雪面にサク一輪の花

チェシャ猫の部屋


[44] 雪面にサク一輪の花
詩人:チェシャ猫 [投票][編集]

いつの日か僕等
互いの息の白さに驚き
握る手の冷たさに少し戸惑う

そわそわとしだす街と
少し色めく僕の心
知らないふりして君はまた歩き出す
十字路に輝くツリーに背を向けて

もう君と過ごす3度目のイヴになるのに
未だにプレゼント何買おうか迷ってる僕がいる

眠れない夜に聞こえてくる
深々と降り積もる雪の音は少し冷たく
君にもらったマフラーと一緒に
凍える両手で抱きしめた・・・

見渡す限りの雪面に
忘れられたようにサク一輪の花は
少し切なくどこか温かく
泣き濡れた朝に凛と立っていた・・・

いつかまたこの日が来て
そして君の側にいるのが僕でなくても
またこの花は冬空を包み


降りしきる雪の中凛と咲いているのだろう・・・

2003/12/23 (Tue)

前頁] [チェシャ猫の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -