詩人:弘哉 | [投票][編集] |
見たくない
見せないでくれ
そんな汚らわしいもの
嫌だ
嫌だ
なんて
そう言って見ないできたもの
なんだったのでしょう
穢れてる
汚らしい
俺の前に晒すな
見たくもない
そうして隠してきたもの
そうしてきれいなものだけ見てきた
今までってなんだったのでしょう
汚い
穢れてる
見たくない
その
見たくないものって
なんだったのでしょう
それはきっと
人間そのもので
それはきっと
穢れた心
廃れた本質
中身は汚い
だから見たくない
閉じたままな瞳を
こじ開けて見てください
それはきっと
あなた自身です
傷つき病んだ
あなた自身です
そしてきっと
そこから始まる
見て
認識して
似て
認定して
そこから本当の
美しい本質にしていける
あなた自身が始まるのです
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地上から流れ星が飛び交った
私たちを押し潰すように
灰色の空はどんどんと迫ってくる
耐え切れなくなった星のいくつかが
パラパラと空から降ってきて
辺りはまるで昼間のように明るくなった
光と熱で頬が赤く染まる
私たちはただ無力で
大きな力を傍観しているしか
それしか
方法などなかったのだ
大きな時代の流れを
私たちはただ見ていた
そして
嘆いていた
半世紀前の私たちが
なぜあんな目に合わなければならなかったのか
今の私たちとあの頃の私たち
なんら変わりはないというのに
それは時の使者
時の変わり目にやってきたこと
それだけのこと
ならばもうすぐやってくるのだ
地上が宇宙へと変わるそのときが
時の使者はもうすぐやってくる
また地は血に染まるだろう
そのとき
私たちはここにはいないかもしれないけれど
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空が見たくて窓開けた
目に映るのは壁だけで
見上げたけれど灰だけで
ここには空はないのだろう
星が見たくて灯を消した
目に映るのは白い空
白い星など見えなくて
空はあるけど死んでいる
どこに向かえば空がある?
過去なら生きてる空はある?
誰が殺した?この空を
誰が壊した?空さえも
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そう
謝ることじゃない
心は冷えきっているけれど
カフェオレが内側だけは温めてくれる
なんで遠距離ってだめなんだろう
遠距離で切れたのってこれで2回目だ
両方俺がフラれたけれど
伝えられないことが多すぎる
メールor電話だけなんて
僅かな態度にしか表せないというのに
気付いてもらえないだけの態度にしか
最も愛した人間は
一生恋愛対象にはなりえないと気付いてしまった
その影をちらつかせないで
幻影を追ってしまうから
その名前を見るだけでも
君の存在が見えてしまうから
価値観の相違は分かってた
だから別れた今
出来るなら一片も俺の前に
君の存在を残さないで
俺が秘密を打ち明けた人が
"友達"という平凡な位置に今いるのが理解出来ない
俺を知ったその人が俺の友達と友達してて
俺を秘密にしてもらう っていう
枷までなくなったのに
"友達"として普通に接せる訳がない
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狂ってしまエ
何もカモ知らなイって
言っテやるから
狂っチャエよ
オレも
もう何も分かンないからさ
考えルノ面倒だしサ
そんで
忘レて遊ぼう
タクサンたくさん
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痒みを抑えるために
腕に垂らした熱湯
水道が音を立てる
止まった頃には
白い皮がパラパラと浮いていたけれど
耐えられないほどの痒みはなくなっていた
元々 耐えられない痒みでもなかったけれど
赤ペンのインクが突然切れて
仕方なく途中から青くなった答案用紙
不恰好な外見ほどは不自由もしていない
絵の具で汚れきったタオルを捨てて
「粗品」って書かれたビニールを破る
まっさらを汚すのには少し気が引けたけれど
一旦使ってしまえばすべて同じだろう
本命だったり
代用品であったり
そうして必要としてきて
元々代用品だったものが
本命へと代わっていく瞬間
変わっていく瞬間
ちびていた消しゴムが
とうとう消しカスへと変わった
引き出しの奥の白い固体は
次の日 筆箱の中身になる
使いこんでいた運動靴は
雨の日以来靴箱の中
今日足元で俺と歩みを進めているのは
代用品だった本命
君を忘れるために
布団へと現実逃避して
俺を癒す物質を
君からα波へ代えようとしたっていうのに
レム睡眠で投影されたのは
他でもない君の顔
代用品は
どうやら本命にはなりえないようだった
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俺なりの哲学
人間は矛盾を織り合わせて構成されている
何人もの考えがひとつとなって“一人”が出来ている
ひとつのことを言っているようで
複数を重ねた結果を言っていて
その上常に変わり続ける
一貫性を求めたって無理な話だ
だから
約束なんてものはすべきじゃない
頭では理解しているけれど
たがわれた約束を“裏切り”ととるのは
俺の弱さのせいなのか
守れない約束
この世にはたくさんある
そういえば俺だって
守れなかった約束はいくらでもあったはずだ
“嘘吐き”と罵られたって
仕方のないことだと
なのに
人を責める俺がいる
だけど
責められたくない俺がいる
言葉を紡ぐたびに怯えるばかりで
それでも
繋がりを求めてしまうのは
寂しさからくる矛盾ってやつだろう
つまりはそれが
“人間らしさ”ってやつなのだろう
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意志でもなく
思想でもない
完全なる客観で構成された
『詩』と呼ばれるものを書いてみたい
肯定を否定することで
肯定の真価を肯定し直すような
ひねくれた風景を文字の中に浮かべ
そうして漂いたい
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『理解されない』
ありふれた言葉で悩む現代人が
一人ぼっちだと嘆き続ける
新たなる思想が産み出されては消え行く中で
共感ばかりを求めさまよう
ただ唯一の己を喪失し
自身が消えないことを望む
飛び越え行くことも
追い付くことさえ諦めた
所詮無理だと言っている
それで一体何が出来よう
生く時代の快適を求めるのは
当然な人間の傲慢
不潔な河流を
自らを汚さず飲み込むには
まだまだ容積が足りなさ過ぎる
自分は小さな沼でしかない
私を肯定するものが
唯一己を見つけたなら
そのときは私を否定しなさい
自分の理想のみを見つめ
迷わず突き進みなさい
全てが許される今の時代に
己の背を圧し潰すプレッシャーを
どうにかこうにか管理しながら歩いている
私は
大海になりたい
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ランダム表示で出会った詩たちに
あまり心が揺さぶられないのは
きっと
俺以外が俺じゃないから
思想があまりに食い違い
感情を移入する隙間を探し出せないから
だけど
だけれど
同じ考えしか持つ者がいないなら
この世はここまで面白くなかった
たまに出会える
心揺さぶられる作品にも
出会える可能性なんて消えてた
俺以外が俺じゃなくて
よかった