空から舞い降りた黒翼は
ひらりひらひら
お互いを隠しながら
どうせ消えてしまう運命ならば
どうか、どうか
偽ったままでもいい
どうか、どうか
地についた黒翼
覆い隠したものは
なんだったのだろう
今は知れない真実は
己より美しいものを隠して
生きることこそ美なのかと
問いかけることさえ叶わない
消えないくらいに乾ききった
雨とも知れぬ
涙とも知れぬ
想いはまざまざ混ざり合って
色はもうない
黒か赤かも分からない
それは血なのか
涙なのか
風とともに消え行き
風とともに去り行く
次の場所へと
己を美しく装いながら
そして消えていく
2005/10/28 (Fri)