詩人:剛田奇作 | [投票][編集] |
私が立っている場所は
土ではなかった
小さな子供の
背中だった
私がテレビを見ながら食べる一つまみのおやつは
子供が徹夜で三日働いて用意したものだ
生きていることは
誰かの時間や体力を犠牲にしていること
一度の呼吸さえ
一粒の涙さえ
誰かの犠牲の上に成り立っている
楽や得をする為には当然、代償がいるだろう
楽をただ得る国
その尻拭いをする国
人は無力で
当然私も
そして私は
当然じゃない
不自然に良い待遇を受けて
毎日を生きている
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よこせんや
たてせんや
ななめのせんや
きょくせんたちが
てをつなぎ
じゃれあい
いかくしあって
こうさし
むげんにいろをつむぐ
えふでとなり
えいぞうが
くうかんになり
いのちがうごめくせかいのははになるとき
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動けなくなったら、心の中の小石を積み上げよう
二、三個でいい
あなたの心には誰も入れないから
それは永遠に崩されることはないだろう
小石みっつ
しかし立派なあなたの砦
それは次第に強固な物になる
塀を作って 大きな石を積み上げ
好きに飾ろう
それがあなたの自信
誰にも崩せない自信
あなた自身
もうその頃には堂々と世界にお披露目
あなたの城は
青空の下で
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窓際で泣いてた
子供が、くだものの絵本をもってきた
私は、お腹空いたね
と小さく言った
子供は去った
また泣いてた
食べのこしのスパゲティ、一本持ってきてくれた
私は食べて
ありがとうと言って
ぽろぽろ 泣いた
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お金のない人に
いくら強引に取り立てても、ないものはない
愛情も同じなのかも知れない
いくら強引にねだってみても
愛情を知らないから、ない
押しても引いても
抓っても搾っても
出てこない愛情
だって知らないから
ないもんは、ない
言葉だって知らなきゃ話せないのと同じ
相手が知らないなら
あなたが、知っている本当の愛情で
教えてあげるしかない
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朝だからさわやかな歌を
クリスマスだからそれにちなんだ楽しい歌を
寒いからほっこりするような歌を
歌いたい、本当は
無理だけど
だからみんなの歌がいい
朝ご飯と共に、いただこう
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愛を下さい
安心を下さい
安らぎを下さい
優しさを下さい
海より深くて
宇宙より広くて
無限で、無条件の
愛を
できれば無料で
偽善とばれなきゃ愛は愛
嘘でもばれなきゃ真実
素敵じゃないか
夢のようじゃないか
偽善でも、行動できれば神様だ
一円でも与えれば神
奪えば悪さ
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なぜ どういういきさつで
私はここまで傷ついているんだろう
今となって 何が間違いだったのかわからない
もっと頑張れば修繕できたのかもしれない
マニュアルなんてないけど
一応やるだけやった
今更人のせいにする気もないし
恨むのも馬鹿げてるし
迷惑かけたくないし
「生きているだけでいい」
そんな余裕の生み出した
美しい言葉を聞くとぞっとする
真に
アルコール依存者に
狂人に
誰かを経済的に
肉体的に傷つける人々に
面と向かい言えるのか?
入院費用から精神サポートから全ての手間やお金を一生工面してあげる覚悟があるなら言ってもいいのだろう
「生きているだけでいい」
一人で生きている狂人はいない
誰かと自分をローソクのように溶かしながら生きている
病人の生きるとは毎日メシを食って寝て排泄して気晴らしの為現実逃避にも費用が要る
そして治療費
誰だってまだ正常な時期に何度死のうと思ったろうか
周りがそれを留まらせ
精神が崩壊したら誰も見向きもしない
もう一度聞く
「今日生きていていい?」
「明日も生きていい?」
「十年後も生きていい?」