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剛田奇作の部屋


[166] 願わくばサボテンの埃に
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

君は、会うたび私の知らないことを話す


お蔭さまで
こっちは妄想のスパイラル


まがりなりにも張り付くプライドのせいで


君に真実を確かめることもできず


君に感づかれないよう、そっと歳をとってく


いつも初めて見る服を着ている君


私たちが会ってない、新鮮な証拠


「仕事は上手くいってる?」

「そうなんだ」


「君のお嫁さんて、相当風変わりなはずだよね」


君のアパートのユニットバス

漂泊剤…ツンとした匂い だった


殺風景な部屋の冷蔵庫の上に

私が気まぐれにあげたサボテンが枯れずにちゃんとあった


来れなくなるならメールくらいちょうだい


でなきゃこんな遠い街のパーティーなんかにこないわよ


弱くて、私からは聞けない


君だけに会いに行くほど強くもない


ねえ、


君の部屋の


願わくば、私は


サボテンの埃になりたい





2009/01/24 (Sat)

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