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剛田奇作の部屋


[180] 不徳の学び
詩人:剛田奇作 [投票][得票][編集]

涙の川を
大股一歩で踏み越えた唯一の少年は


恐怖を感じないことに罪を覚えた


屋根裏の死体から滴る
体液で転んだ少年は


予感を述べたら崇拝だと叱られた


命を大切にしろという先生は、命とは何か教えてくれない


見ず知らずのものを大切にするにはどうすればいいのですか


時間ってどこに行けば触れますか


ファミコンの電源も切れない僕は
命を守れますか


優秀と言われた生徒の作文を聞く

魚のような目をした凡人の卵たち


施された
傷付けない教育は

気付かない子供をつくるのに有効なのです


大人が勝手に見出だした可能性を
正しい夢と教わる


疑問には答えが存在すると教わる


答えを知ることで
優れると
教わる


優れることが幸せへの道、
幸せがゴールだと教える


子供が裏切られたと知った時


教師は大概死んでいる





2009/01/26 (Mon)

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