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剛田奇作の部屋


[242] シンちゃん
詩人:剛田奇作 [投票][得票][編集]

背の高いシンちゃんは
黒いコートが良く似合ってた

ソーセージを食べる時
箸で刺してたべた

日曜日はフードの着いたトレーナーを着て自転車に乗っている


シンちゃんの指は
水の香りがした


ジャガリコをよく食べてた


藤のいっぱい垂れ下がる公園で

茂みの中に入って行った
誰も入らないような場所
小道があって

昼間だけど
真っ暗な茂み
急な下り坂


シンちゃんの 背中とフードを掴みながら
着いていった

私達は何もしゃべらないまま

やっと降り立った広い道

観光客がゾロゾロ通る明るい場所


私達はみんなの中に混ざって

きっと
ありきたりなカップルに見えていた






2009/05/23 (Sat)

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