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剛田奇作の部屋


[362] 怖い夢
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

小学校の下駄箱の上に

首吊り死体があった

見たくなくて

いそいそ逃げた


校門で母さんに電話する

携帯画面にはクマだらけで、血走った眼の
のび太のお母さんがいた

怖い、母さん


天気が悪くて

迎えに来た母さんは 用水路の濁流に飲み込まれて消えていった


お母さんの乗ってきた戦闘機を操縦し


なんとか家にたどり着く

居間には
またあの首吊り死体がぶら下がって


隅に置かれた雛人形が赤い眼で私を見ている


父さんが五歳で買ってくれた


最高級の雛人形


父さんは流動食を食べながら蛍光灯を見ている




2010/04/04 (Sun)

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