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剛田奇作の部屋


[374] クリスタルフィールド
詩人:剛田奇作 [投票][得票][編集]

ガラスのような

細かい白い砂の砂漠

少し冷たいその砂は

裸足の足をサラサラと埋めていく

透明な銀色の世界


時間の流れすら無いこの場所は


今であり、明日であり、遠い未来そのもの


すべての始まりのこの場所で

すべての終焉を優しく包む風が流れ

どこまでも続く白銀の空の向こうには

一筋の丘が、今もあるのだろう


僕は

君がここにいたのを知っているよ


君があの丘を目指して

細い足首でゆっくりと

砂を掻き分けていったのも


銀の風の便りは、君の瞳の光を教えてくれた

強めの風と砂が僕の身体を埋めていく

だんだんと揺らいでいく僕の魂では

きっとあの丘には辿り着けない


けれど僕は、満たされている


再びここに来れた喜びに

君の触れた砂に埋もれる事に









2010/04/28 (Wed)

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