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剛田奇作の部屋


[440] 無題
詩人:剛田奇作 [投票][編集]


会社帰りに 踏みつけた狂気が 

むくむくと起き上がって

目があった



夕飯を作ってる最中だった 



やるか やられるか それとも 飲み込むか?

いや もう 
こうなっては 何もかもが手遅れだ



飲み込んでも 腹を食い破って 

出てきて 俺の死体の上を這いずって回るんだろう 


野菜炒めの焦げる匂いに反射的に火を止める
  

0.4秒


「自殺なんて笑えるオチ」は期待しないでくれ


1,2 秒 




俺は 猛烈な速さで狂気をつかみ

電子レンジに ブチ込み 

 
800w「強」に設定し スタートを押した
 



約19秒



1Kのアパートに狂気の「断末魔」が響き渡る


俺は必死で 目を瞑ったまま レンジのドアを押さえ続けた


次第に悪臭と 壮絶な 吐き気で 


意識が遠くなり キッチンの床に倒れていた


朦朧とする意識の中で 誰かが俺の手を握るのがわかった






2017/05/13 (Sat)

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