詩人:レインボー猫 | [投票][編集] |
その日私は貴方を好きだと思った
それまでは、ただ漠然と好きだった
町で並んで歩いたりひっついていて満たされてはいたが
貴方の外見やしぐさに好きだと感じてはいたが
ただうれしくて
貴方のいないときでも心をうきうきさせていて
こんな切ない気持ちは持ち合わせてはいなかった
何気ない一言だったが
それに私は思わず捕らわれ
貴方を本当に好きになってしまったのだ
゛好き゛や゛愛してる゛はもはや使いすぎてしまっていて
私は心を伝える言葉を探せずにほとほと困った
貴方は変わらず私に接し、貴方の家では゛好き゛や゛愛してる゛を囁いてくれる
しかしもう私は同じ言葉を返す気にはなれなくて
自分の気持ちとは違う貴方の言葉をあびるたび、
一方通行な想いを感じ胸をぎゅっとしめつけられた
第三者から見たら大仰すぎるノロケかと吐き捨てられるような悩みだが
そんな悩みに私は食欲も出なくなるほど弱らされている
笑ってしまうがそれは触れられるだけで切なくなる恋となっていた
重い
重すぎて
゛大丈夫?゛
夜の公園
貴方は私を気遣ってくれる
゛何か悩みがあるなら…゛
お前のことで悩んでるんだ。
睨みつけてののしりたい気分になる私
好きな人にそうして気にかけてもらって
甘い言葉を十分もらって
一体何が不満なのか分からない
言葉でも体でもなく一体自分が何を相手に欲しているのか全く分からない
分からないまま書店の前を通り過ぎたとき、ポスターを目にしてああ、と思った
゛貴方は私のために死ねますか?゛
思わぬ解決法だ!
さっそく彼にナイフをつきつけ試してみよう
…なんてできるわけなく、言えるわけもなく、
見つけた一つの解決法を、頭のわきに押しやりまた悩む日々である