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[4] あの日泣いていたのは
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眠りから覚めると
窓の外には白い海が
ぼんやり広がっていた

胎動にも似た、
列車の揺れと
くぐもった、アナウンス
思わず、瞼を閉じるその奥
夢の残像。

君の言葉は瞬く間に
消えてしまったのに
あの日のヴィジョンが
いつまでも
あたしの眠りを妨げる

泣きたくなったら、おいで
と君は言った、けれど
泣けなくなったら
どうすれば、いい?

冬の海が好きだと笑った
そんな横顔ばかりを
ふいに思い出す、夕刻

2006/10/21 (Sat)

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