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現実的SUGILLの部屋


[108] カウントダウン
詩人:現実的SUGILL [投票][得票][編集]




そうして、ふたりの関係は
ふりだしに戻された

まっさらな世界をナミダが潤す

つらいね、くるしいね

作り笑いなんかしてる
場合じゃないのに

それでも何もなかったように
日常が待っている

何にもせずには暮らせない


夜を放棄したまま
痛みに沈めば

底知れぬ不安に
心が重たくて

窒息までのカウントダウン

よろめいたなら

溜め息すべてが
泡となって消えてゆく


仮説だらけの自己弁護

言い訳に埋め尽くされて
身動きもとれない

希望を捨てて身軽になれば

彼女みたいに
もっとラクになれた?


身を委ねたまま
救いを待って今夜

箱舟、に...乗り遅れ

波にさらわれそう
無抵抗は敗北

沈みたくない、酸素がほしい


死ぬほど流したあの涙も
蒸発したなら、また
かなしい雨に変わる

その涙はとても美しいのに
美しすぎて

とれない染みになる


若い彼らの旅はまだ
始まったばかり

これから待ち受ける
嵐の航海を思えば

いまから胸がきゅんとなる


不意にわたしは船を捨て
この身を沈めて、眼を閉じた

イメージの中ですら
ふたりは解り合えない

だんだん吐息がかすれてく


2014/07/25 (Fri)

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