ホーム > 詩人の部屋 > icoの部屋 > 終わる物語

icoの部屋


[6] 終わる物語
詩人:ico [投票][編集]


本当は知っていたんだよ。
きっと終わってしまうって。


知ってて言わなかったのは
少しでも運命を変えたかったから。


自分が見た未来を
信じたくなかったから。



あなたがくれた幸せを
永遠にこの手に握っておきたかった。


運命って変えられないのかなあ。
結局わたしが思ったとおりの結末。


さよならを告げたのは他でもないわたし。
終わりを迎えたくなかったのに
終わらせてしまったのは傷んだわたしの心。


こうなることを、わたしは知っていた。


知ってて言わなかったのは
あなたを繋ぎとめるため。
偽りだらけの幸せを
真実にするため。


こんな終わりを望んだんじゃない。
だけど耐えられなくて
殺した涙がシミになって
全部思い出にしなきゃいけなくなったんだ。



わたしとあなたをつないだ鎖、
錆びて壊れてしまったね。
知ってたよ、これは終わる物語。

2004/09/07 (Tue)

前頁] [icoの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -