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黒夢の部屋


[139] ウニ
詩人:黒夢 [投票][編集]

日頃溜まった苦いものを
溜息と一緒に吐き出す。

すると
それが心を少しだけ削っていく。

そんな事を続けて
いつしか心は形を変えて
鋭く尖っていく。

触れる全てを拒絶して
近づくその手を真っ赤に染める。

僕にもその人にも
深い傷を与えて
それを繰り返す。

離れてしまえば楽なのに
離れなければならないのに
どうしてもそれができないのは
愚かな事ですか。

一人がどうしても辛くて
誰かに助けを求めても
傷つけてしまう。
そんな悪循環。
どこかで止める術を求めて。

それでも
溜まっていくオモイを吐き出さなければ
息が詰まってしまうそうで。

広いのに
周りは果てしないのに
息ができなくなりそうで。

望んでなくても
オモイに潜む黒い影は
容赦なく心を削っていく。

削られた心の破片に
そっと涙をこぼして
「ごめんね」と謝る。

どうかもう一度頑張ってと
涙を流す。

いつか
誰も傷つけないで
接する事ができるようになりたい。

今日も
溜息をついて
心を少し削って。

今日も
涙をこぼして
地面に落ちていく破片に
頑張ってと言う。

僕の心はウニのよう。

2005/10/10 (Mon)

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