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黒夢の部屋


[144] 眼鏡
詩人:黒夢 [投票][編集]

世界が鮮明になる。


たった一枚のレンズがあるだけで
僕の世界はより美しくなる。


人の顔も表情も。
悲しみの顔や憎しみの顔も
嘲笑も侮辱も
全てが、鮮明に見えて。


綺麗なものばかり見たいのではなくて
汚い物だって世界の内。


それでも
見たくないようなものばかりが
視界に広がって
嫌気が差す。
気が滅入る。


そんなものしか見えない世界なら
要らない。


世界を鮮明に映すレンズなど
要らない。


ぼやけた世界のままでいい。
人の感情など見えなくていい。


いつか
自分の感情でさえ怖くなりそうだから。

2005/10/26 (Wed)

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