世界が鮮明になる。
たった一枚のレンズがあるだけで
僕の世界はより美しくなる。
人の顔も表情も。
悲しみの顔や憎しみの顔も
嘲笑も侮辱も
全てが、鮮明に見えて。
綺麗なものばかり見たいのではなくて
汚い物だって世界の内。
それでも
見たくないようなものばかりが
視界に広がって
嫌気が差す。
気が滅入る。
そんなものしか見えない世界なら
要らない。
世界を鮮明に映すレンズなど
要らない。
ぼやけた世界のままでいい。
人の感情など見えなくていい。
いつか
自分の感情でさえ怖くなりそうだから。
2005/10/26 (Wed)