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黒夢の部屋


[23] 昔と比べて。
詩人:黒夢 [投票][編集]

小さな頃の写真を引っ張り出して眺めてみる。
無邪気に笑っている写真や、思い切り泣いている写真や。
自分はこんなにも小さかったと、見た目も、中身も。

今の僕には到底真似できないような表情ばかりで。
純粋。
という言葉がよく似合う。

そりゃそうで、今の僕は醜い感情ばかり渦巻いていて。

懐かしい、と思った。

でもそんなことを思うほど、僕は長い間生きていない。

きっと、簡単に振り返ることのできる短い僕の生きた道。

苦労したことなんてあんまりないかもしれないし
僕の言う苦労は親の世代にしてみれば
只の我侭に過ぎない。

それを認めて欲しいと言うのは、無理がある。

それでも、僕には僕の理屈があって
只の屁理屈にしか聞こえないかもしれないけれど
僕なりの価値観と言うものだってある。

こんな我侭なことを考えてるのは
昔と変わらない。
只、少しだけ口が達者になっただけ。

結局、成長したのは見た目だけなのかもしれない。
我侭な所も、僕の短所も全部
昔と変わらない。
否、以前のような純粋さは今の僕にないけれど。

これから、もう何年か経った時
僕はまた同じことを考えているのだろう。
こうして写真を見ながら、変わらないと笑って。

その時はまた、少しだけ口が達者になっていて
やたらと長い御託を並べているんだろう。

2005/01/18 (Tue)

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