詩人:黒夢 | [投票][編集] |
あの日、私に貴方の冗談を軽く笑い飛ばすほどの
『強さ』があったら。
そうすればきっと、今も私の隣には貴方が居た筈。
私に貴方の言葉で取り乱さないほどの
『大きな器』があったら。
今も普通に笑って寄り添っていられただろうに。
もう、涙も枯れてしまったよ。
それでも、君の姿を見れば涙が流れる。
流れる涙を、私を濡らす雨と偽って。
私を濡らす雫はきっと、『後悔』と言う名の雨。
謝罪もできずに離れた距離はもう、縮まらない。
幸せになる為に時間を掛けて積み上げたものは
ほんの一瞬で崩れ去り、私に虚無だけを残した。
今更遅いけれど、私は貴方が好きだった。
誰よりも、何よりも、どんなものよりも。
さよならは、まだ言えない。
私にとって貴方が特別じゃなくなるまで。
それまでは、貴方を好きでいたい。
でもそれじゃいけないと思ってるから
こうして雨に打たれてるんだよ。
この雨が、私から貴方を想う気持ちを流してくれるまで。
私から貴方を、奪ってくれるまで。
いつまでも、いつまでも。