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黒夢の部屋


[83] 頼み
詩人:黒夢 [投票][編集]

伝わらない言葉。
声にならない願い。
届かない想い。

失ったそれらの代わりに僕は、絶望を手にした。



伝えられた言葉。
代弁された願い。
届けられた想い。

君の手にのっている、僕が失った物達の断片。



どうか捨てないでいて欲しい。
君の手で、一つずつ繋いで。



君の好きにしたらいい。
好きなように繋ぎ合わせて、組み立てて。
君の形に変えてくれれば良い。

だって僕はもう
君が手にしている物達が、どんな形だったのか
忘れてしまったから。



僕は僕で、欠けた箇所に大鋸屑でも詰めておこうか。



君の絶望を、僕が失ったもので補って。

そうして僕は、新たな絶望を手にした。

2005/03/30 (Wed)

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