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黒夢の部屋


[95] 叶わない望み
詩人:黒夢 [投票][編集]

一生、望むものは手に入らない。
僕が望んだものは
違う世界にあることをようやく知った。



きっと手に入らないことを知っていて
それでも
諦めきれないまま、望み続けた。



ほんのわずかな希望にかけて
それのみに頼って、自分からは動かずに。



望むだけで手に入るほど、世界は簡単ではないことも
全部解っていたけれど
自分から絶望に近づいて行けるほど
僕は強くなかった。



傷つく事を恐れて、失う事を恐れて
前に進めないまま、時間が過ぎて。



もう手に入ることのない僕の望みは
きっと、他の誰かが手に入れている。



自業自得。
納得しないこの心を
その一言で片付けて。



僕の望み。
それは物ではなく、それ以上の価値があるもの。
否、値段などつけられるはずがなく。



ずっとそれだけがほしかった。
それだけあればいいと思った。



君の心が、僕の望みだった。
君の心が、何よりもほしかった。

2005/04/08 (Fri)

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