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じぇんの部屋


[286] つき
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月は照らしているの?それとも照らされているの?
横断歩道に映るくたびれた影が僕に問いかけた

『今日は新月だから』って それっぽい言い訳を考えては
答えのない毎日を当てもなく過ごしている


いつも言葉に心が追いつかなくて
届く前に消えてしまう タバコの煙のように
ただ生きるのは簡単だけど
それになんの意味があるっていうの?


月よ こんな僕を照らしてくれるのかい?
もがき続け焼けただれたこの心を
月よ こんな僕でも誰かを照らせるのかい?
夢も見ずに また夜が明ける



繰り返されてく日常の中に 小さな幸せを見つけては
ちょっとだけ微笑んでみる そんな日々を過ごしているよ
『今日は新月だね』って 空を眺めていた君の横顔は
現在は存在しない『何か』に照らされていたはずだよ


いつも言葉に心が追いつかなくて
今日も絶望の縁をさまよっているんだろう?
でもその絶望は 昨日の希望
月が照らすのは 明日への勇気


何も見えないから怖いのかい?
見えなくたってそこにあるはずなんだ
一歩 また一歩進もう そこにある恐怖は
心配ないさ また陽が昇るから



月よ もう少しだけ頑張れそうだよ
追いかけてる心を照らしてくれてるから
いつだって僕らは照らし照らされ歩いていく
太陽と月の間を

2016/12/05 (Mon)

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