詩人:浜崎 智幸 | [投票][得票][編集] |
・
窓際に肘をつき 月影に身をまかせ
癒されぬ傷もあると 私は知った
年上の貴女には 片手間の恋なれど
癒されぬ傷もあると 私は知った
現世(うつせみ)に生きるゆえに
悲しみは波の宿命(さだめ)
満ちる月 欠ける月に 心なごませれば
慰めの言葉になる
■
■
この思い 幾百に砕ければいいのにね
せめて ひとかけらぐらい 貴女に分けたい
陽ざかりの夏の日に 散る花があることに
貴女がたじろがぬよう ひそかに分けたい
季節(おりふし)に感じるまま
悲しみを友と迎え
昇る月 沈む月に 心響きあえば
ひとり寝の夜を過ごす
■
一瞬(たまゆら)の時を生きて
刹那の恋を夢みる
照る月に 曇る月に 心許しあえば
ひとり寝の夜を明かす
――――――――――