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浜崎 智幸の部屋


[38] 何度でも歌う
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


こころはいつも嘘を
重ね着して強くなる

逃れられないならば
何度でも歌う

虹をくぐる鳥よ
滝を飛び越す鮎よ

その閉じた瞳(め)で
わたしのために泣いて

海を渡る蝶よ
闇を恐れぬ蝉よ

その触角で
わたしの歌を聞いて

懐かしい歌だといいね



記憶を閉じた螺旋を
刃物よりも恐れてる

冬に蒔かれた種は
契りを疑う

毒を抱いた草よ
友をなくした猿よ

その憎しみで
わたしの爪をなめて

過去を運ぶ蟻よ
枝を捨てた鳩よ   ※

その醒めた目で
わたしのからだを見て

あんまり美しくないね
───────────
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※ノアの洪水の伝説に拠る。

2020/01/06 (Mon)

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