詩人:もとり | [投票][編集] |
痛み止めの代わりに
煙を深く吸い込んで
不満を形にするように
空気に溶かして燻らせる
じわじわと蝕む倦怠感に
身体が麻痺してしまいそう
抱きしめられたその腕に
感情など微塵にも無く
交わした言葉にも
何の意味も無い
一時の温もりと引き換えに
大切な何かを失って
これは跡の残らない
自傷行為
涙が出るのは痛みなのか快楽故か
ただ、寂しかっただけ
ただ、埋めて欲しかっただけ
抱き合いながら眠る夜
それでも孤独感は拭えぬままに
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小さな彼女は視線を落とし
赤く染まった輪郭を撫でながら
届かぬ言葉を紡いでいく
結末がいつも幸せなんて
一体誰が決めたっていうのかしら
シンデレラの硝子の靴は壊れてしまった
眠れる森の美女は誰にも知られず朽ちてゆき
白雪姫は毒に侵され息絶えて
人魚姫は愛したが故に泡沫の様に溶けていく
現実は醜く残酷で
夢だけでも見ていたいだなんて
可笑しな話でしょう
愛しい貴方はもう居ない
在るのは置き去りにされた私と残骸
愛でる様に指を滑らせ
静かに彼女は別れを告げる
安らかにと願いながら
捧げる歪んだ鎮魂歌
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僕は君の事を何も知らない
知っているようで何も知らない
好きな物や
仲の良い知人や
住んでいる所さえも
君自身の事であれば
大体は理解してきたけれども
君の背景は全く知らない
近くて遠く
手に入れてるようで掴めない
だから今
君が連絡を断ってしまえば
いとも簡単に繋がりなんて切れてしまう
それは恋人や友人と言うよりも
深く繋がっている他人 と言うより他にない
君と僕の関係を表すならば
そんな脆い結び付きで
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君の何気無く放った一言が
どれだけ僕を不愉快にさせているのか
笑いながら
言葉を用いた暴力を重ね
傷付けている事すら君は気付かず
怒った様を見れば
冗談なのにと言葉を吐き捨て
悲しむ姿を見れば
そんなつもりじゃなかったと
言葉を濁す
嗤える
そんな物
受け取り手次第じゃないか
お決まりの笑顔を貼り付けながら
冷えていく感情を僕は知らない
段々と心が離れ
距離を置かれていくのを君は知らない
それに気付かず
また日々を重ねていく
限界まで
あと少し
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落ちる
落ちる
落ちる
どうせ誰も気には留めない
私も他人等気には留めない
夢に描いた理想なんて
所詮空想のおままごと
落ちる
落ちる
理解されない
感情が目まぐるしく動く
嘲笑う君の姿に心の中で嫌悪して
落ちる
落ちる
薄っぺらい飾り付けで
言葉を紡いでみせたって
中身が無い事すらお見通し
酷く滑稽
見苦しい
落ちる
堕ちる
何処までも
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今迄出逢った人なんて
ほんの一握りで
吐いて捨てる程に
人なんて溢れかえっている
すれ違い
時に交差し
紐解く様に離れていく
そんな無限に広がる海の中で
私を見つけてくれてありがとう
大事に想ってくれてありがとう
吐いて捨てる程に人は居る
だからこそ大切にされたら
想いを返したい
愛してくれて
本当にありがとう
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沢山傷付けて
沢山傷付いて
時には距離を置いて
自然に寄り添って
疑ったり
安心させたり
離れたり
傍に居たり
平坦な道では無いにしても
愛してると心から言えるよ
それでも毎日欠かさず
愛の言葉で包んでくれる貴方に
愛がある故に
心が動いているのだから
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貴方の隣に居るのに
まるで存在して居ないかの様
干渉しない貴方に合わせて
私も貴方も互いに別の世界に耽って
携帯で繋がる別の誰かに夢中な貴方に
本当に私は必要なの?
顔を合わす事も無ければ
私を思い出しもしないのでしょう
声を漏らしても良い?
本当は寂しいんだと
今日も私は
憎みながら貴方が来る事を待ち望む
もう終わらせたいと
愛しているのにと
言葉を漏らして
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ふと思い出して
心を抉られる
何故私を優しい嘘で染め
淡い夢を見せたのだろう
幸せを知らなければ
こんなに心を締め付ける事も無かったのに
二人で思い描いた未来は
私だけしか見なくなり
優しい嘘は残酷な現実に塗り替えられた
無理に遠くへ誘い出して
雑踏に紛れた私達は
確かに二人ぼっちだったね
同じ物を見て
同じ世界を共有していたよね
私は泣きそうで
このままこの手を離したくない
このままずっと居られたら良いのにと
ずっと願って居たんだよ
もう望めない夢で
もう掴めない未来で
もう動けないよ
貴方は変わっていくのに
私はちっとも変われないのに
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今の私には何もない
探してももう見つからない
失ってまた埋めて
失って
同じ事の繰り返し
恋い焦がれて
会いたくて仕方なくて
一人で泣いたり
会えるだけで幸せで
抱きしめて優しく愛されて
求められて満たされて
そんなのはもう泡沫の夢
望めない
満たされるどころか
枯渇気味で退屈で
このまま満たされないのなら
いっそ壊してしまおうか
関係も
信頼も
私でさえも