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もとりの部屋


[190] エンディング。
詩人:もとり [投票][得票][編集]



小さな彼女は視線を落とし

赤く染まった輪郭を撫でながら

届かぬ言葉を紡いでいく



結末がいつも幸せなんて

一体誰が決めたっていうのかしら


シンデレラの硝子の靴は壊れてしまった

眠れる森の美女は誰にも知られず朽ちてゆき

白雪姫は毒に侵され息絶えて

人魚姫は愛したが故に泡沫の様に溶けていく




現実は醜く残酷で

夢だけでも見ていたいだなんて

可笑しな話でしょう



愛しい貴方はもう居ない

在るのは置き去りにされた私と残骸


愛でる様に指を滑らせ

静かに彼女は別れを告げる



安らかにと願いながら

捧げる歪んだ鎮魂歌



2016/01/04 (Mon)

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