詩人:宵待ち話 | [投票][編集] |
アイツはきっと分かっていた
私の考えていることを
私の結論である、この黒い部屋のことを
私の出した答えは、拒絶と納得
私は結局のところ
他人のことが分からない
「楽しい」や「嬉しい」だけではなく
「悲しい」や「苦しい」さえ共有できない
もちろん
それは私だけが他の全てと違うのではなく
全てが全て違う
私はその一例に過ぎない
人と人との結合原理は愛という
私は結局のところそれを理解できず拒絶し
拒絶することで
人が人が
YとXが一緒に居るような世界に納得した
アイツはきっと
私のそんな浅さかな考えなんか全てお見通しのくせに
馬鹿みたいに泣き叫んで
私の名前を呼ぶ
だから、やめてくれ
私はもう
この舞台から降りたんだ
もう私の役割など何一つとして無い
それなのに
なぜ
私は歌っているのだろう?
それも自分の為じゃない
馬鹿みたいに私の名前を呼び続ける
アイツなんかの為に
なぜ、この全てを拒絶した黒い箱のなかで
こんなにも
歌うことが出来るのだろうか