詩人:宵待ち話 | [投票][編集] |
ある晴れた日
ひさびさに窓を開ける
部屋から出て行くのは空気だけで
僕の悩みは一向に出てゆく様子はない
君は何と言っていたか
こんなにも中途半端で
何が中途半端なのかも分からず
悩む僕を見て
君は何と言ったのだったか
言いたいことは無限にあるハズなのに
口に出す勇気もなく
僅かに出した言葉すら
間違っていたかも知れないと
悩む僕を見て
君はどう言ったのか
君の言葉はしっかりと聞いている反面
君の言葉の真意が
どうしても分からなくて
それでも
知ったような顔をする
僕を見て
窓を閉める
白い部屋は途端に静かになる
そのせいか僕の頭の中も静かになる
ああ
思い出した
君は僕を見て言ったんだ
『格好いいね』
僕は少し怒ったフリをしたけど
本当はとても
嬉しかったんだ
次に君が訪ねてきたら
このことを伝えようと思う
どれだけ
言葉に出来るかは分からないけど
何故か
この気持ちだけは
君に伝わるような気がするんだ