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あいるの部屋


[110] 紫陽花のプール
詩人:あいる [投票][得票][編集]



紫陽花色のプールを泳いだ

幼いときに創造できたのは
幼かったからだ



六月には六月の夢をみた



なんだその頭の色は。
外国人にでもなりたいか。


何になりたいって
ボクはボクになりたい。

こんなんでボクが決まるなら、世の中はクソだ。



人生を
一日を
25Μプールにするなら




ボクはどの辺り
泳いでるのかな
泳げてるのかな



潜って涙を隠す



涙は
塩素臭いプールで泣く
ボクを嫌がった



プールの水より軽いから泡のように水面に昇って逝く

天国みたいだ。
流したアイツ等は
幸せだったのかな





あがったプールサイドに
天使はいなかった





自分を値踏みしたボクは

クソだ




ねぇちょっと幼い日のボク

息継ぎの方法を教えて





泳がずに仰向けで
心臓の鼓動で流れた
贅沢すぎるほど空気が在る



安全や平穏を
手に入れる代わりに




あんなに憧れた
水中の景色を手放した





七月には七月の夢をみる





深く深く潜ってゆこう
プールの底より
もっと

もっと




もう一度
創造させてよ




陸にあがったボクは
言葉を話せた




幼いときに創造できたのは
幼かったからか?




ちょっと派手に転ぶかもしれないけど
プールサイドを
走ってみよう




案の定痛いめにあって
飛び込んだプールには




泡だか涙かが
キラキラしていた







紫陽花の中を泳ぐボクは
息継ぎを忘れる

2006/07/12 (Wed)

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