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あいるの部屋


[233] 午後と浅瀬
詩人:あいる [投票][得票][編集]



あんなに簡単だ
ガラスが薄すぎたんだ

もれなく赤ちゃんから
老人までがたたき割ってる

シロクマが最後の流氷で、もうお手上げだって白旗振ってる

攻撃は最大の防御
そういって争いは続いた

蟻たちは行列を作って何万年もデモ行進してる

あの日、何て言ったか聞けなかったことを懺悔してる

その川を渡ってこいよ
膝丈までの水で永遠は溺れた

晴れすぎてて眼が開けられなかった

いつも無口なあの子が
なんだか今日はよく笑った

どーすることもできないな
どーすることもできないな


もう色も香りも出ない
ティーバッグに
祈りながらお湯を注ぐ白昼

2009/07/11 (Sat)

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