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あいるの部屋


[57] 雑奏
詩人:あいる [投票][得票][編集]

人は汚い。
という先入観の種を与えれ花開いた固定概念は
既に根は深く曲げられない

人は冷たい。
本当に冷たすぎて
ボクの体温も奪ったんだ

ここまでくると
この火傷さえ
温かいんだか冷たいんだかボクも知れない。


そして出会ってしまった
君の手は凍えきっていて
ボクの手さえ温かいという

君の手を暖めたいんだ

なんでボクの手は
温まらない

ようやく、やっと
決めつけていた勘違いの染み跡が薄くなり始めている


君はゆっくり眼をとじる

ちょっと待ってくれ
ボクを一人にしないでくれ


低温火傷の凍りついた涙が君のうえに墜ちて蒸発した


こんなにも暖かったんだ

感情温度に麻痺していたボクは君に温もりを与えられてることにきづけなかった


ボクが君を殺した
君にボクは救われた


ボクの花が枯れて君の優しさで零れ落ちた種に
なんていう名前をつけよう


どーしようもない
はかなさ故に


人は雑想という。



2006/05/18 (Thu)

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