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あいるの部屋


[89] 機械の森
詩人:あいる [投票][得票][編集]

標本にされた人間は
造り笑いがお上手

ささくれとささくれが
引っ掛かって出会う大地


葉のつかない木々もひっそりと胸を張る

自然体な温い時が
空気のない日々を嘆く

与えたものは何だ
奪ったものは何処だ
去って逝くのは誰だ

無限を信じた海は枯れて
ボクの涙は枯れなかった

地球の裏側がわかっても
君が解らないときがあるよ


交わってたのは心か

真意は虚無

標本にされた人間は
造り笑いがお上手

無機質な月が
鋭く弧を描く

焦げた大陽は光を失っても懲りずに昇る

原始人のころから中身だけは素直なままだったんだね

ボクと違う体温の君

芸術と勘違いの
森のようなビル

そりゃあ動物たちは
寄ってくるさ

駆除するのは
ボクたちのほーだよ


機械の森で指がささくれた

歴史に傷がついてやっと気付いた

ボクも君も
誰かも地球でさえ
命は等しかった

2007/11/16 (Fri)

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