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あいるの部屋


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詩人:あいる [投票][得票][編集]




どんどん書き残さないと
ペン先から零れて
どんどん滲んで逝っちまう

初めから知ってる
空なんか飛べやしねー
でもどんなに落胆しても
昇らない陽はねんだな
人は願うことをやめない



使い捨ての現代
その中のボク


期限はいつ切れんだろうか


些細な思い出なんかない
どれも捨てたくなかった。人は
忘れて逝く動物なんだろ。


人の欲パステルカラーが
鮮やかに空に反射してらぁ



誰か空を見上げませんか。
胸が痛くて涙がでるだろ。


この涙が海に還る
その引き潮に乗って
深海で君の声だけを
聞いていたいよ


滲んだインクが
薄くなった頃に
生き急いだ意味に
サヨナラの手を振った


人は
忘れて逝く動物なんだろ。

油絵のように
幾重にも染め上げられた空


思い出は埋没してるだけなのかも知れない


期限切れになった空を真っ白に塗り替えてやろう
深海の青も垂らして


ボクの期限が切れる。
滲んで逝っちまう。

哀しいかな君も
忘れて逝く動物なんだろ
でも忘れないでほしい





君の声だけを描いていたい






2006/05/14 (Sun)

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