詩人:はるか | [投票][編集] |
何度も遠のく意識
力強く握られた手の平
あなたに会いたくて
ただ ただ
会いたくて
もう
それしかなかった
あなたに会えるなら
あたしは
どうなってもいいと
本気で
そう 思ったの
そんなの勝手と
思われる日も
来るのでしょう
でもね
それは
一生かけて
いつか分かってくれれば構わない
今はただ
あなたに
ありがとうと
ろうそくを吹き消す
あなたに
ありがとうと…
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「ラピスラズリ」
透き通った夜空
静寂の
張り詰めた空気のなか
想い溢れ
こぼれ落ちる雫みたい
光り輝く
流星を見たの…
あれは
遠い遠いむかしのこと…
それはまるで
ラピスラズリ
星空の彼方から響く
あなたの声のよう
他の誰にも聞こえない
私に降り注ぐ愛の賛歌
出会いの奇跡にと
あなたがくれた誕生石
星空とともに
永遠に輝き続ける
ラピスラズリの夜空なら
あなたとの未来が
叶う気がする
宇宙(そら)に明日が訪れて
アメジストの深き愛の
衣をまとう頃
確かな愛をたずさえて
あなたのもとへ
届けにゆこう
たとえ
遠い遠い未来でも…
ラピスラズリの夜空なら
永遠の愛が
叶う気がする
果てしなく
心を紡ぐ二人の誕生石
遠い遠い未来でも
宇宙(そら)にはいつも
ラピスラズリの幸せと
アメジストの深い愛が
絶えることなく
輝き続ける…
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港に入る船を見ていた
どこかの国の知らない
文字
間近で見る船体の
潮にまみれてはがれた
ペンキ
私は華奢なタラップを
上る
足元を見ないように
握る手に力をこめる
壁をくり抜いたような
仕切りに扉はなく
小さく分かれた船内は
夢の隠れ家みたいで
まだ小さかった私の心をとりこにした
通りすぎる大人達は
見上げると首が痛くなるほど大きくて
手渡されたお菓子を見ても、何だか怖くて
少しだけ泣きたくなった
これからまた長い帰路に着くのだろう
四方を海に囲まれた
青い平原を突き進むように
世界はまだ何もかもが
大きくて
知らない事が
あるという事を
ようやく知った私は
ポケットにしまいこんだお菓子を潰れるほど握りしめた
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いつも
遠回りばかりして
核心にふれない君
言葉は曖昧さをたたえた泉のほとりを
何度も 何度も
回り続ける
君の心が
時々分からないんだ
両手で顔を
隠さないで
何でも話して聞かせてよ優しくくるむのは
いつだって君のおはこ
口にしたら
失ってしまうから
そうして自分を
守ってきたの
壊しちゃいけないんだね君を この僕は
気の遠くなるような
時間をさいても
かまわないなら
いつか
聞けるだろうか
君の心の声を
僕の この胸で
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小さな種をまいた
彼女と世話をした
毎日、種に話をした
僕たちのはなし
未来のはなし
君は時々うなずいたり
そっぽ向いたり
僕らを振り回したりした
彼女は嬉しそうだった
本当はちょっぴり
つらかったのかもしれないけど
僕はそんな彼女が
たまらなく愛しかった
やがて
小さな種は
産声をあげた
空っぽになった
お腹を見て
彼女は寂しいと言った
どうして?
と僕が聞くと
だって、毎日つながっていたんだもの
そう言って
伸びたお腹の皮をつまんで
ほんのりと笑った
僕は彼女の答えが
よく分からなかったけど
笑った彼女が
とても誇らしげで
眠る君は天使のようで
それを見ている僕は
たまらなく
たまらなく
守らなきゃいけないと
思ったんだ
君をこの手に抱いた
とつき11日目
僕が君と
つながった日
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ざわめきで押しつぶされた耳をふさぎ
あらん限りの静けさの前にひざまづく
羽音をたてる事も許さぬ虫達は
一切の姿を消し去り
花びらからすべり落ちる夜露の音色は
渇ききった大地が
ねこそぎ受け止めるのだ
そしてわたしは
双手をあげよう
おまえの声を
聞くためだけに
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白い午後の待ち合わせ
あの日の木の下で
目を閉じる
カサコソ
落ち葉のメロディーが
あなたの靴音
聞き分ける
夢を夢のままで
おいとけない人
もう旅は
終えましたか
青い夕暮れ待ちぼうけ
あなたはだあれ
過ぎた人
手のひら触れた
ひと葉にも
自分の意思があるというのに
今日という日を
見届けて
昨日という日を
折りたたみ
明日という日に
捨ててしまおう
さよなら
風がかき消した
私の夢は
あなたでした
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君の小さな白い手を
ずっと握っているのが
これからも
僕でありますように
君の落とした涙の粒も
すくい上げるのは
永遠に
僕の役目でありますように
僕は 僕が得たものを
君に与えるとかじゃなく
いつでも 何でも
君と2人で
分かち合えたらと思う
君がくれたものも
2人で目を真ん丸くして笑って味わえたらいい
心の手を繋ごう 僕ら
迷わぬように
離れぬように
独りじゃまだ
未完成な僕の
ちっぽけな
たわごとだけど
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痛みを痛みで
捻りつぶして
そうして苦しみを
慣らしていく
あなたの心はあなたしか分からないけど
せめてその手を
両手で包みこんで
息を吹き掛けてあげたいと思う
両手で挟まれた頬っぺたは 決して
冷たくなんかないんだよ
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優しい孤を描き
行ったり来たり
揺れる小船の如き
気配をなぞる
こんな時いつも思う
過ぎてく物の美しさに
心奪われるのは
もうここには存在しないという
心の嘆きなのか
失くしたものに
思い途切れる術を知らず
舞上げる一陣の風の力を借りても
身を任す事さえ出来ぬ
落ち葉のコサージュ
この胸に
とどめて尚も
叶わぬ思い